mono3yu’s blog

ただ、自分と向き合う

出会うべき時代に出会わなかった

お題「もっと早くやっておけばよかったと思う事」

 

私が幼い頃、家には恐竜図鑑とか草花図鑑とか色んな図鑑があった。私のほかに姉妹が2人いたけれど、私は1人でよくそれらの図鑑を開いて読んでいる子だったらしい。

そういえば記憶の中にあるアルバムの中の自分も膝の上に本を開いている姿が多く収まっている。

 

小学校に入ってからは宿題をするよりも図書館で借りた本を読んでいるような子だった。

ただ惜しむらくは私が好んで読んだのは怪盗◯◯シリーズや、謎解き◯◯、漫画の類であったことや、中学生、高校生と学年が進むにつれ本の楽しさよりも友達との交流を大切にするようになりそのまま社会人となったこと。

 

結果、私は漱石や康成、中也に芥川、ニーチェゲーテ、フロムなど思春期に出会うべきものに出会うことなく大人になった。

 

私は以前このはてなブログの中で

学生時代に電車の中でフロムを読んでいてあまりの衝撃に2度も読み返して、気づいたら電車は全く知らない路線を走っていたという記事を読んだことがある。そしてその記事の締めくくりは、それから愛というものに答えが見出せず言い寄られても自分は恋愛ができずにいる。というものだったと記憶している。

社会人になっていた私はその記事を読んで、彼に愛を考えさせるまでに至った本とはどのようなものだろうかと思いフロムを買い求めて読んでみたものの、結局彼のように愛を深く考えるというところにはたどり着けなかった。

おそらく読んだ私の年齢が思春期から遠く離れていて素直に受け入れられなかったんだと思う。

愛をくれないあの人をそれでも愛しろと?私はそんな努力をしてまであの人の愛を欲しいと思わない。なんてことを考えながら読んでいたと思う。

フロムは思春期に読むべきものだと思った。

 

思春期に出会うべき本は本当に多い。漱石を思春期に読んでいればと何度も思った。カフカはきっと私の感受性を育ててくれた。

 

友達と遊んだ時間を悔やんだことはないけれど、自分と向き合える時間に自分と向き合わなかったことは悔やんでいる。