今週のお題「お弁当」
久々の投稿。
やっぱり文章力というのは継続ありきだなと実感したので書く練習を再開。
稚拙な文章を許してほしい。
さて、久々のお題に挑戦。
お弁当か。
お弁当という言葉で思い出すのはやっぱり母親のことだな。
父親と3人の子供の弁当を12年間も欠かさず作り続けた母親。数にバラつきはあれど毎日毎日本当に大変だったろうと思う。
そして弁当と言われて思い出すこと。今の私の年齢の頃母親は思春期に入った頃の私たちと対峙していたはずだ。弁当の中身が気に入らないと平気で残して帰り文句をつける。おかずの汁が鞄に漏れただの、嫌いな食べ物しか入ってなかっただの、美味しくなかっただの。
しかし私たちがどんなになじっても翌朝にはきちんと用意されていた。
母親のメンタル最強。
それでもあるとき、ついに据えかねたのだろう。
今も鮮明に残っているある日の食卓(弁当でなかったのが子を思う母親だったと今ではわかる)の風景がある。
ワガママ放題の私たちにキレた母親が用意したおかず、漬物が皿に盛られただけの三品のみ。
食卓に座った父親が「これは何(の冗談)や?(💢)」と静か怒り、一気に張り詰める空気。にも変わらず母親が飄々と答えた一言で空気が一気に凍った。
「この子ら私の作るおかずが気に入らんというて全部残してくるから、これからおかずは漬物だけにします。お父さんもそのつもりにしといてください。」
父親はそれ以上問い詰めることもなく、その夜は全員が一言も発せずポリポリと漬物を噛む音だけが聞こえる食卓となった。
あんなにも漬物だけの食卓を囲んだのも初めてなら、あんなに静かな食卓で家族が食事をしたことも初めてだった。おそらくこれからもないだろうと思う。
結局、翌日の弁当には普段と変わらないおかずが入っていてホッとしたわけなんだが、あの日以来母親の作ってくれた弁当には基本文句をつけないようになった。そして私は家族一好き嫌いが多かったこともあり高校生になるとすぐにアルバイトをして自分の昼食代稼ぐことにしたのだった。