両親が愛煙家だったし、父親の家系がこれまた全員が喫煙者だったので幼い頃からタバコは身近に存在していた。
なので大人は皆んな吸うものだと思っていたし、年頃になったら当たり前のように私たち子供も喫煙するようになった。
それぞれ好みの銘柄があった。
両親はセッタだったし、伯母はハイライト、伯父は缶ピで。
マイセン、キャメル、マルボロ、ラーク…。
親戚の集まりがあると灰皿には色んな吸い殻が盛っていくのが幼心に楽しかったな。
私はというと高峰秀子よろしくヴォーグか、カプリ。とにかく口からタバコが離れることがなかったので口紅を塗り直す回数が少ない細いタバコを好んだ。
両親のタバコを買いに行かされた時代は
百円玉2個でお釣りがあり、
お賃で駄菓子を買えた時代だった。
それから時代が移り変わり、globeの歌に登場したタバコは
百円玉2個とほんのちょっとで
買える時代になっていた。
それから時代は幾度と変わり。今では
ワンコインランチと同じ土俵にいるらしい。
(このお題を書くにあたり調べて驚いた)
で、私の禁煙成功談だが、
十数年まえに段階的にタバコの値段が上がっていった時期があった。その2段階くらいの時に何となく冗談で
「また値上がりかよ〜。一体愛煙家からナンボせしめたら気が済むねん。もう私タバコ止めるわ」
と今の主人に漏らしたことを主人が面白がって、
「貴方が?禁煙?そんなパカパカ吸うてる人間にできるわけない。俺はできるよ。じゃあ俺も一緒に止めたるから明日一日お互い監視しながら過ごそうよ」
となったことから次の日をタバコ無しで過ごしたのだが終わってみて私は
「あれ?案外いけたやん」
ってなりそのまま今に至る。
禁煙中の禁断症状もなかった。
起き抜けの一発目も食事の後の一服も、歯磨きの後も、仕事の息抜きも手持ちぶさたな時も。
何より驚きだったのは酒の席でも一向に吸いたいという気持ちがおきなかったこと。
ただ主人は禁断症状があったようで、あの手この手で私を禁煙に失敗させようと画策してきたが
「貴方が吸いたいからっていい加減にしてよ。私はもう要らんの。そんなに吸いたいなら貴方は吸えばいいじゃない。」
で終わらせた。
あんなに煙と共に生きていた私が完全に煙と切れると思っていなかった主人は、私を揶揄いながらタバコを燻らせる日がそう遠くない日に来ることを疑わなかったようだ。
〜禁煙は純粋な自分の意志でやるべきだ〜
私が主人から学んだ教訓だ。
これ成功談になるのかな…。